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一六堂のIRへ問い合わせ

先週の銘柄分析記事に続いて、
今週は一六堂のIRへ問い合わせたことをまとめた記事です。

今月上旬にIR担当の取締役の方と40分ほど電話で話をさせて頂きました。
全ての質問について率直にお答え頂き、
かつこちら側の質問に関連するようなことを進んで話してくれる方で非常に好感が持てる方でした。
低PBRの会社ほど塩対応を受けたり、色んな部署にたらい回しにあったりするので素直に嬉しかったです。

以下問答です。

- 月次の売上を毎月発表してもらいたい。

年間の既存店売上は説明資料に載せてある。
月次を発表しないのは株主に短期間で一喜一憂してほしくないため。

公表したくないのは直近数年間は既存店売上が低調ということもあるんだろうなと思います。

- 敷金及び保証金について、簿価で14.5億円程度あるが、退店時に何%戻ってくるか?

退店時には敷金/保証金の10~20%は返ってこないが、
簿価には既に返却しない分を反映しているので簿価記載の金額は全て返却される見込み。

朗報です^^

- 食品卸事業、柚屋の好調の理由は?

柚屋は大田市場で仕入れる権利を持っていて、当初は社内の調達部門として作ったもの。
次第に営業マンが飛び込み営業などを行うようになり、少しずつ外販が増えていった。
強みは大田市場の特殊な野菜を扱えること。フレンチレストランなどに卸している。
荷受けさんや外販先から好評で、販売先の紹介も増えている。
販売先は200社以上。新規顧客が毎月数社ずつ増えていて、今期も増収増益の計画を立てている。

食品卸事業が与える影響はまだ小さいですが、事業が好調なのはポジれる要素ですね。

- 東京建物と三井不動産が行う八重洲再開発地域に3店舗あるが、
 これらの店舗が移転となった場合にどのような補償が受けられるか?

東京建物の行う八重洲再開発地域に2店舗(内、自社ビル内に1店舗)
三井不動産の行う八重洲再開発地域に1店舗あり、
三井不動産側では、現在、具体的な話をしているところ。
選択肢は2つ。新しいビルに入るか、他に店舗を構えるか。
他に店舗を構えるなら保証金が5000万から1億弱程度入りそうだ。
その金額の内訳は、新しい店舗の内装とか引っ越し代、新店舗の2年分の家賃の一部補助などになる。

営業停止期間中の営業権の補償について、
2回聞いたが私の聞き方がよくなかったのか、
うまく伝わらず明確な回答を聞けなかった。

- 自社ビルの売却によって生まれる資金の使用用途は?

自社ビルに関しては、売却するか、新しいビルの一部を所有権としてもらうか、を選択する形になる。
もし所有権を得て、新しいビルに入った場合には、取得した不動産を賃貸として貸し出すことになるだろう。
今ある自社ビルの床面積は200坪程度。新しいビルの所有権をもらう場合、何坪もらえるのかわからないが、
仮に半分の100坪だったとしても、坪5万の賃料は取れるだろうから、年間6000万、丸々利益になる。

上記の「仮に半分の100坪~」というのはまだ何も決まっていない状況で、
IRの方が仮説を立て、その仮説を元に賃貸に出した場合どれくらいの収益になるか?
という私的な予想をして頂いたものです。
東京建物との交渉はこれからなので、現段階では何も決まっていないです。

- 現預金が20億近くあるが、使用用途は?

出店のために現預金を取っている。
しかしながら最近は不動産価格が上がり過ぎて、高いところは坪単価10万など、
飲食店では全く採算に乗らないレベルになっている。
もう少し経てば価格が落ち着いてくると踏んでいる。

またM&Aは常に検討している。過去に2件行った実績もあるので、売り込みもよくある。
M&Aで障害になるのは、フランチャイザーの買収をやらないと決めていること。
飲食店の利益はせいぜい5%程度で、
フランチャイザーが売上の2-3%のロイヤリティーを取ってしまうとフランチャイジーはやっていけない。
脱サラしてお店を始めたフランチャイジーが、高いロイヤリティーのために採算があわず、
自己破産など悲惨な状況になることがよく見られる。
人の犠牲の上に成り立つビジネスはやりたくないということが社長のモットーだ。
加えて自社店舗の管理だけでも大変なので、FC店舗の管理なんてとてもできない。
八吉についてはフランチャイザーの依頼をしばしば受けるが全て断っている。

商売っ気がないですね~。
私はフランチャイザーって大好きです。親は絶対に赤字にならないシステムだから。
これをやるからコンビニは儲かるわけで。
上場企業として「美味しい話」があるのに食いつかないのは、どうなの?って感じますが、
その一方で社長の誠実さを感じました。

- 昨年の自社株買いは総取得株数が13,400株で完了している。
(取得枠のたった2.8%で終了[金額ベース])
 予定買付価格と乖離があったため株式の取得が進まなかったということだが、
 予定買付価格の算出方法は?

自社株買いを行う決定をしたのは、一時的に株価が300円を割り、時価総額も30億を割ったから。
何故30億かという点においてはハッキリとした理由はないが、きっかけになった数字。
自社株買いを発表した後、ストップ高になり、予想以上に株価が上がってしまった。
その後も買付価格を決めて、証券会社に指値注文は出していたが、結局ほとんど約定しなかった。

- MBOで、非上場化を行うことを検討しているか?

よく勧められるし、検討したこともある。
検討した結果、現在は非上場化は検討していない。

上場を維持したい理由としては、2つ。
1つは従業員のモチベーション向上。
四半期ごとに決算を公表することに対して日々、数字を残すために頑張っている。
また東証一部に上場していることから従業員が住宅ローンが組みやすいということも大きい。
2つ目は不動産を借りるにおいて有利。
立地の良い物件は様々な会社が賃借りの申し込みを行うことになる。
競合になった場合には上場企業が選ばれやすい。

- 平成25年度の最高益を記録した時点から、その最高益が半減した平成29年度まで
 役員4名の方の報酬が1.3億円の高値圏で維持され、かつ微増傾向。
 高値圏であると感じる理由は純利益が2.4億に対して、経営陣の報酬が高すぎるため。
 直近5年の株価は低調であり、経営成績も不調でありながら役員報酬は微増傾向ということに疑問。
 役員報酬はどのような尺度で決定されているか?
 企業価値(株価)の上昇や経営成績は役員報酬に関係ないのか?

ご指摘を真摯に受け止める。
ただ上場前からこれくらいもらっていて、最近急激に増えたわけではない。
また70店舗運営していくなかで、大きな責任を担って仕事をしているのでご理解いただきたい。

まぁ業績が落ち込んでいるから役員報酬を削りましょうって会社は少ないのはわかりますが、
役員報酬が業績向上の重しになっている現状は辛いですね。
尚、下記詳細の通り役員報酬は2005年から相当額増えている。
配当はピーク時から半減させてるが自分たちの報酬は減らしていない。
加えて前期、今期と増益基調なのに増配なし。このあたりは今後の総会等で指摘したい。

過去の役員報酬:
2005年:1.08億円(取締役6名)
2013年:1.26億(4名)
2014年:1.30億(4名)
2015年:1.32億(4名)
2016年:1.32億(4名)
2017年:1.33億(4名)

- 2014年度に営業利益が半減している理由は?

お店側には特別な要因があるとは考えていない。
最高益だった年は東証一部に行くぞっていうモチベーションは非常に高かった、というのはある。
またここ3年は二次会需要がかなり減った。
一次会需要はしっかり取れていて、早い時間帯で1回転はするのだが。。。

二次会需要の取り込みとして値下げすることはやりたくないので、
ドリンクメニューの品質を上げることで対抗していく。(二次会はドリンクオーダーが中心なので)
例えば、他の居酒屋のハイボールは炭酸が弱く、おいしくない。
ウチは強炭酸のハイボールを出すなど品質の良いドリンクサービスを行っている。

大幅減益に対して特別な要因がない、と言われるとは思わなかったし、
そう言われると今後の具体的な改善も見えてこないのでは?と危惧してしまう。
まぁだから赤字店舗については再建を諦めて、退店を進めているのか。

- 過去には200店舗の出店を目指していたがある時から出店数が伸びていない。理由は?

不動産の賃料が高騰しており、採算の合う物件の取得が難しくなっていることが一番の原因。
採算が取れる店舗かどうかを決める要因は、立地が6-70%を占め、立地は妥協できない。

また他の飲食業のように年間20店舗出店とかはとてもできない。
急速な店舗展開は自社の文化が薄まることが危惧される。

退店が増えているが、人的リソースの問題もある。
優秀な店長がいる店は明確に数字に表れる。
ポテンシャルのあるお店に優秀な店長を配置し、大きな利益を生むようにしているので、
不振店舗を立て直すために、不振店に優秀な人を送れない。
つまり人的リソースも制限的なので、不振店は退店せざるを得ない。

- 今期の増益予想の根拠は?

・仕入れの配送ルートを変更できるようになった。
 (それに伴い昨年途中から原価が1%程度低下している。)
・昨年閉店した赤字店舗(10店舗)がなくなる。
・退店や業態変更による費用が昨年よりも少なくなる。
・人的リソースが改善される。
 (店舗当たりの優秀な人の割当が濃くなるという意味合い)

増益予想の根拠はどれも手堅く、好印象です。
特に原価低減と赤字店舗の清算は効いてくるでしょうね。

問答は以上ですが、最後に、ここだけの話。
八吉 新宿西口店には井上真央似の定員さんがいます( ゚Д゚)

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コメント

No title

最近一六堂を買い増したのですが、継続保有に自信が持てる記事のご紹介ありがとうございます。参考にさせていただきます。

Re: No title

marpelous さん

コメントありがとうございます。
株価が上がるまで時間がかかりそうですが業績改善傾向なので期待したいですね。

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プロフィール

化学男

Author:化学男
某化学企業勤務のアラサー男子です。
バリュー投資で45歳までに資産一億円を目指します!

メインの投資手法は
本質的価値より過小評価されていて、
半年以内に明らかとなる触媒があり、
「過小評価 → フェアバリュー」という形で水準訂正を狙う手法です。
MUSTではないですがPBR:1倍以下の株を好みます。

パフォーマンス
2016年(5/1~12/31) +52.9%
2017年(9/30時点) +40.4% 

リンクフリーです( ゚Д゚)
Twitter: @Investment_kabu

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