一六堂の企業分析
- 2017/07/22
- 00:55
一六堂は居酒屋をメインに飲食店を運営する会社です。
12港の漁港の買参権を持っており、
卸を介すことなく、港から安くて新鮮な魚介を調達できる点が特徴です。
注目ポイント
1.ネットネット企業
2.自社ビルの含み資産価値が9億(時価総額:37億)
3.八重洲再開発地域に自社ビルがあり、売却される見込み
4.業績底打ちで増益基調へ
1.ネットネット企業
流動性の高い資産から負債を引いた額が時価総額を上回るネットネット企業になります。
PBR:0.74
時価総額:38.3億
純資産:53.2億
換金性の高い資産の合計:52.7億
負債合計:9.3億
ネットキャッシュ:43.4億
換金性の高い資産の詳細
現金:21.5億
売掛:2.9億
商品:1.6億(簿価:2.3億)
その他流動資産:2.6億
土地:7.0億(簿価:7.2億)
建物:2.6億(簿価:9.2億)
敷金及び保証金:14.5億
建物は70%引き、商品は30%引きで計算。
浜田市の不動産は流動性が無さそうなので無価値とします。
外食企業でネットネットは珍しいですね。
PBRが0.72倍ですが、資産の中身が良いので時価総額に対してネットキャッシュが大きく、優秀です。
2.含み資産9億
平成13年に購入した東京駅近くの自社ビルが簿価(帳簿上)5.8億ですが、
株式新聞曰く、既に時価15億を上回るようです。

3.八重洲再開発地域に自社ビルがあり、今後は売却され、含み資産9億が顕在化される見込み
下記URLを見てもらえばわかりますが東京駅周辺で再開発が進んでおり、
八重洲一丁目の開発地域に一六堂の自社ビルがあり、東京建物に売却することになりそうです。
株式新聞曰く八重洲の再開発が始まればさらに地価は跳ね上がるとのことですが、
少なくとも含み資産9億円が特別利益として計上され、
15億の現金が加わり、現金が36億に。現金だけで時価総額までカバーできそうな勢いです。
株主目線での問題はいつ不動産が売却されるのか、という点ですが、
2020年10月着工のため、2020年1月頃に解体作業が始まると思います。
そうなると2018年6月から2019年1月には売却が確定するのではないかと推測します。
4.業績底打ち
数年前から業績不振店の業態変更や退店を進めています。
昨年も6店舗の業態変更と10店舗の大量閉店を行いましたが、
退店(と業態変更)費用をこなし、30%の営業増益となりました。
今期の1Q決算は(私の)想定以上の数字を出しており、
今期は昨年よりも退店数が減少することもあるので、
ガイダンスの営業利益511百万(昨年比+18.4%)はクリアできそうです。
5.その他
・四季報の業績予想では今期は会社予想と同じ、来期も二ケタ増益の予想。
・リーマンショック時も黒字を確保で安定的に利益を上げている企業にしてはあまりに低評価。
・株価が下落すれば自社株買いが入るので下値は制限的。
・居酒屋の中ではやや高めの価格帯になっており、優秀な人材(料理人、店長)を必要とする。
人的リソースに依存するためビジネスモデルに強みがあるとは言えない。
・平均給与は高く、独身寮も完備されているのでブラック企業で世間から突き上げられるようなことはなさそう。

目標株価:681円
達成時期:2019年1月
予想純資産:65億
目標PBR:1.0倍
目標株価の根拠:
1.業績が底打ちし、反転していること、
2.資産の内容が良いこと、
3.配当が低くないことから
PBR1.0倍を目標にします。
カタリスト発動まで時間がかかりそうですが、守備力が高く(低PBR、高ネットネット率)、
かつ攻撃力も兼ね備えた銘柄(含み資産顕在化と業績好転)という期待をしています。
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