オフィスコーヒーで国内3位、米国3位の企業。
(追記:国内1位はユニマットライフ[53.7%]、2位エームサービス[12.2%]、3位ダイオーズ[9.7%]のようです)
ストックビジネスが魅力の企業です( ゚Д゚)
下記に過去の売上/利益と為替の推移を載せています。
米国拠点の売上が大きいので為替の影響を大きく受けます。
近年は右肩上がりで、リーマンショック時にも
ある程度の利益を保っていることがわかると思います。
・株価とPERの推移
<定性的観点>
①成長ストーリーはあるか?
店舗拡大型成長ストーリー。
ストックビジネスのため開拓した販売先から毎月労せず売上があがる形。
ただし既存顧客の売上を守るために一定数の人員は必要。
②成長余地はあるか?
国内のマーケットは過当競争で頭打ち。
米国では業界3位。西海岸、シカゴ、デトロイトではシェアNo.1。
東海岸と中部に攻勢。成長余地は大いにあるとみる。
尚、2016~2020年の米国オフィスコーヒー市場の成長率は4.48%(CAGR)
③不況耐性があるか?
リーマンショック時にも割と利益を保てており耐性あり。
④ビジネスの堀は深いか?
同業と比較して優位性は?。
ストックビジネスなので先行者としてのシェアの大きさは有利に働く。
ただスイッチングコストは大きくないように思うので、
ストック性がどれほど強固かはわからない。
⑤株価上昇のカタリストはあるか?
1.円安。
今期は為替105円想定のため、上振れ余地あり。
2.来期の米国拠点の業績。
米国拠点にて前期、営業員を22%増、
今期も24%増の予定で費用先行の状態のため来期業績は期待できそう。
3.トランプの減税。
法人税が35%から15%に減税されれば純利益が大幅拡大。
<定量的観点>
⑥PERは適正以下か?(成長率15%の場合、PERの適正水準は15倍が目安)
PER:14.6倍
売上の成長率:11.9%
純利益成長率:18.1%
※過去5年分と今期予想の数字から5年間の成長率をCAGRにて算出。
成長率とPERを比較すると割安感は少ない。
国内拠点の成長率
売上:5.1%
営利:3.6%
※過去6年分と今期予想の数字から6年間の成長率をCAGRにて算出。
5年間の成長率にしないのは東日本大震災の影響が大きく出るため。
米国拠点の成長率(ドルベース)
売上:11.7%
営利:7.3%
※過去5年分と今期予想の数字から5年間の成長率をCAGRにて算出。
⑦PBRは2倍以下か?
1.32倍で及第点。
のれんと顧客関連資産等無形固定資産を除いたPBRは1.66倍
⑧CFはどうか?(PCFRとリーCF倍率を確認)
営業CFは常に純利益の2~3倍と高水準をキープ。
これはのれん等の多額な減価償却が理由であり、
ダイオーズに大いに魅力を感じるところ。
15年度フリーキャッシュがマイナスになっているのは、
米国拠点で3社のM&Aを行ったため。
純利益(一年で稼いだ金額)VS営業CF(一年で稼いだキャッシュ)
※Jan.になっていますが、Mar.です。
⑨有利子負債が純利益の5倍までか?
有利子負債:18.7億
問題なし。
⑩ROICは高い値を維持しているか、あるいは改善されているか?
及第点。
⑬ 競争力調査(同業他社との相対評価)
当社の販売エリアが国内と米国に跨っており、
単純比較できる企業はないため割愛。
⑭リスク要因は?
・円高。
・来期も従業員増で収穫期が再来期に伸びた場合、カタリスト不発。
・トランプ政権がコケる。
⑮配当や株主還元は?
配当利回り:1.87%
⑯まとめ
国内拠点は成長率が5%程度で推移する形で安定しそう。
国内での売上比率は全売上の40%程度で、
米国拠点の成長に伴い今後はより低くなりそう。
したがってダイオーズの投資判断は米国拠点がカギを握ると考える。
米国拠点に関しては
売上が13年度から17年度まで順調な伸びを見せる一方、営業利益は横ばい。
米国拠点の営業利益の伸びが緩慢なのは
直近5年で行ったM&A(6社)ののれん、顧客関連資産の
減価償却額が膨らんでいることと新規採用の人員増負担のため。
しかしながら来期業績は今期と前期の人員増が効いてくる見通し。
米国拠点の売上と営業利益(ドルベース)
単位:百万米ドル
業績面は今期、来期共に順調。
(為替が115円程度で3月末までいく前提)
足元の株価は今期の減収減益予想で低迷しており、
実態とマーケットの目線にギャップあり。
加えてトランプ減税がニュースで取り上げられれば物色対象になりそう。
増益と減税のストーリーがうまく乗れば
PER23倍程度までは評価されていいと思います( ゚Д゚)
2年以内に目標株価:2500円(2.4倍)
来期予想(平成30年3月期予想 )
営業利益:18.6億円(+16%)[想定為替:110円]
国内営業利益:9.2億(+4%)
米国営業利益:8.5百万ドル(+20%増)
平成31年3月期予想
EPS:109円(米国法人税15%想定)
営業利益:20億(想定為替:110円)
国内営業利益:9.6億
米国営業利益:9.5百万ドル
・補足情報(メモ)
・米国拠点で稼いだドルは円転しないので、
為替の実際の影響は米国拠点から日本拠点に入る配当くらい。
・取締役年収
3名で1億。妥当。
・利率
短期借入金1.22%
長期借入金2.18%
米国拠点の借入金利率が高い。
・米国拠点人員数と拠点数:
2013年3月427名(35拠点)
2014年3月488名(38拠点)
2015年3月536名(42拠点)
2016年3月604名(48拠点)
2017年3月(48拠点+5拠点)